「悩む人の希望に」 那覇市・パートナーシップ制度 当事者、葛藤越え


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2人のパートナーシップ登録証明書。登録日は再会した記念日と同じ11月11日だ=22日、那覇市内(画像を一部処理しています)

 那覇市職員の登録第1号となった女性(43)とパートナーの会社員(43)は小学校の同級生。10年前、17年ぶりに再会してすぐに引かれ合い付き合い始めた。女性はそれまで男性と付き合っていたが、実は現在のパートナーが初恋の相手だったという。

 互いを「おおらかで一緒にいて安心感がある」「自分をさらけ出して話ができる」という2人にとって、制度の利用は自然な流れだった。「誰と旅行したか」「誰と暮らしているか」。何気ない会話で正直に言えない苦しさを抱えていたことも背景にはある。2人は「家族に改めて関係を報告するいいきっかけにもなった」と語る。

 12日、城間幹子市長から直接証明書を受け取った。心と体の性別差に葛藤した時期もあるパートナーの女性は「こんな日が来るとは思っていなかった」と感慨深げだ。注目を浴びることに戸惑いもあるが、「自分のように悩んだり苦しんだりしている人たちにとってこの制度が希望や可能性になれば」と思いを語る。

 県内では初となる那覇市の制度。性的マイノリティー(少数者)と呼ばれる人が身近にいることを考えるきっかけとなり、議論や理解につながるか。取り組みは始まったばかりだ。

 パートナーシップ登録には事前予約が必要。問い合わせは、なは女性センター(電話)098(951)3203。(大城周子)