取材妨害の現状調査 県内2紙聞き取り JCJ


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取材妨害の様子を聞き取る日本ジャーナリスト会議の吉原功代表委員(右から3人目)ら=29日、那覇市の沖縄タイムス社

 米軍北部訓練場のヘリパッド建設の抗議行動を取材していた記者が警察に一時拘束され、取材を妨害された問題を調べている日本ジャーナリスト会議(JCJ)の調査団6人は29日、那覇市の沖縄タイムス社で琉球新報と沖縄タイムスの両記者から当時の様子や社の対応などを聞き取った。

 琉球新報北部報道部の阪口彩子記者は「新報の記者だ」と名乗り、カメラに掛けた腕章を見せたにもかかわらず、羽交い締めにされて現場から排除された経緯を説明し「記者として現場を記録し、多くの人に伝えることが仕事なのに、それができずただ悔しかった」と話した。

 同様に排除された沖縄タイムス社会部の知念豊記者は「30分間、何が起きているのか知ることができなかった」と証言した

 琉球新報編集局の松永勝利次長、沖縄タイムス編集局の与那嶺一枝次長と特別報道チームの福元大輔記者も社の対応などを説明。在沖米軍が取材メディアを選別していることなど、さまざまな形で取材妨害が続いている現状を訴えた。

 JCJ代表委員の吉原功明治学院大学名誉教授は「政府・与党が進めているのは歴史的な大弾圧だと思う。報道の自由、民主主義とは何かを総括し、理論武装して対処することが必要だ」と語った。