沖縄県読谷村平和の森球場で始まっているソフトボール女子日本代表の合宿で、那覇市出身の洲鎌夏子(27)=知念高―環太平洋大―豊田自動織機、右投右打=が精力的なプレーを見せている。今年は世界選手権(7月)やジャパンカップ(9月)など国際舞台を経験し大きく飛躍した。一方で、世界のトップへ走攻守全てのレベルアップの必要性も感じた。「2020年の東京五輪で金メダルを取る」。世界を体感し、目標も一層明確になった。東京を見据える表情にやる気があふれる。
16日、守備を重点的に練習する中、三塁に入る洲鎌の声が響く。無死一、二塁や一死三塁などを想定したシート打撃で、連係プレーが大事な場面だ。「今回の代表メンバーの中で内野手で最も先輩となった。声をどんどん出し、チームを引っ張りたい」。軽快な動きでムードづくりに努める。一塁の守備にもつき、バント処理も無難にこなした。
初出場だった世界選手権では当初8番だった打順は、決勝の米国戦で1番に。宿敵に敗れ3連覇を逃したが、確かな手応えを得た大会だった。しかし迎えたジャパンカップは思うような結果が残せなかった。「相手に研究されていた」と悔しそうに振り返る。
今回の合宿では宇津木麗華監督が意識する「基本動作の確認」を、洲鎌も一つ一つ徹底している。米国を下して世界一になるチームづくりへ、選手個々も階段を一歩一歩上る。
「国際大会では下位に座ることになるだろう。上位打者へいかにつなぐかをテーマにしたい」と洲鎌。高校生のころから夢だった五輪出場も現実味を帯びるが、慢心はなく、攻守での自身の役割を一つの課題とし、プレーに徹する。
159センチ、チーム内でも小柄だが、長打も打てるパワースイングに磨きをかけることも合宿でのテーマだ。「反省が多い1年だった」としながらも「沖縄の代表として日本メンバー入りし、金メダルを取る」と言葉に力を込める。練習後の笑顔の中に充実した様子がうかがえる。
(外間崇)