トランプ氏 新大統領へ 次官補の人選鍵に 本紙特派員ワシントン報告


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 米国の利益を最優先する「米国第一主義」(アメリカ・ファースト)を掲げ、日本に対し、米軍駐留経費の全額負担を一貫して求めてきたドナルド・トランプ氏が20日、第45代米大統領に就任する。国務長官に石油大手エクソンモービルのティラーソン会長兼最高経営責任者(CEO)、国防長官にジェームズ・マティス元中央軍司令官が指名されるなど次期政権の主要閣僚が出そろい、政権移行チームは副長官や次官補など高官人事、優先政策の順位付けなどに着手している。次期大統領が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を含む在沖米軍基地の問題にどう取り組むのかを探った。(ワシントン=問山栄恵本紙特派員)

 次期政権は優先課題に「雇用」「安全保障」「機会の創出」の三つを挙げる。次期大統領の政策立案に関わる保守系シンクタンク、ヘリテージ財団で在沖米軍を含む東アジア政策を担当するブルース・クリンナー上級研究員は「次期政権がまず取り組むのは国内問題だ」と指摘。「トランプ氏は普天間が何かも知らない。次期政権が現時点で辺野古移設に焦点を当てるとは想像できない。移設推進を明記した軍事政策の草案があることも承知していない」と強調する。

 シンクタンク外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員は「アジア担当の次官補などに誰がなるのかによっても違ってくる。今の段階で普天間への次期政権の対応は見えない。6カ月から9カ月後になるだろう」との見方を示す。

 各米シンクタンクは次期政権に対し、外交政策などを提言。オバマ政権下の米国務省、国防総省は辺野古移設推進の方針を明記した引き継ぎメモを作成している。移設問題は今後、新政権下で国防総省、国務省のアジア担当の次官補らが中心となって検討される。