バレーボールの全日本高校選手権第2日は5日、東京体育館で2回戦が行われ、初戦となった西原男子は大接戦の末に1―2で慶応(神奈川)に惜敗、西原女子は0―2で郡山女子大付(福島)に敗れ、いずれも16強入りを逃した。
◇男子・西原 高いブロックに苦しむ
第1セットは完全に西原のペースだった。第2セットはジュースになり、どちらが勝ってもおかしくない展開に。勝敗を分けた最終の第3セットで、西原はサーブやスパイクで痛恨のミスが響いた。
そんな中、各セットで目覚ましい活躍を見せたのが山田隆太(たかと、3年)だった。第1セットでは終盤に相手を突き放すスパイクを連続で決め、第2セットも決定力を発揮してチームを引っ張った。最終セット中盤には同点に追い付く攻撃に貢献し、「みんなに助けてもらっていたので次につなげたかった。集中していた」。
だが、慶応のブロックが目の前に立ちはだかった。第2セット以降は徹底的にマークされ、スパイクがブロックにかかるようになった。それでも「このブロックを打ち破らないといけない。自分が決めないと他の仲間もうまくいかない」と、必死にスパイクを打ち続けた。
セッターの宮城大雅(たいが、3年)は「気持ちが焦っていつも通りのプレーをできなかった」と言い、ブロックに最後まで苦しめられたことを悔やんだ。今後もバレーを続け「どんなときでも冷静に対応できるセッターになりたい」と決意を新たにした。山田は「春高は楽しい。だが、ただ楽しむだけではなく、勝つ楽しみも味わってほしい」と後輩にエールを送った。(新垣毅)
◇女子・西原 緊張で敗退 若いチーム、未来への糧
応援団の鳴り物や熱気に満ちた春高バレー独特の雰囲気にのまれ、先発メンバー6人中4人が1年生の西原女子にミスが相次いだ。そんな中、1年生のエース名嘉山友愛(ともえ)が果敢に攻めるバレーを見せた。
相手チームに得点を連取される苦しい状況でもスパイクを決め「3年生は最後なのでどうにかしたかった」。攻めの気持ちをコートにぶつけた。
試合の主導権を握れないまま迎えた第2セット終盤に意地を見せたのは、3年生エースの山内萌だった。スパイクやブロックで連続得点し、7点あった差を3点差まで詰めた。「1年生は初めての春高バレーのコートなので、自分がその緊張をカバーしたかった」。3年生としての思いが最後のプレーに凝縮されていた。山内の後ろ姿を見て1年生の選手は「3年生と一緒にもっと戦いたかった」と肩を落とした。
1年生のセッター上地琳(りん)子は「初めての春高は相手の雰囲気にのまれて自分たちのプレーができなかった」と感じている。勝利をつかめなかったが、1年生にとっては来年につながる試合でもあった。
上地は「来年絶対にこのコートに帰って来て、リベンジする」と強調。悔しさを力に変えて、新たな一歩を踏み出すことを誓った。(新垣毅)