遺構405平方メートル 那覇市、今春追加調査へ


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 2014年に閉校した那覇市の旧久茂地小学校グラウンドで、15年3月に見つかった戦前の久茂地尋常小学校の遺構が405平方メートルの範囲になることが6日までに分かった。文化財課によると、遺構はより広がっている可能性が高く、4月以降に追加調査する。

久茂地尋常小学校の遺構の広がりが確認された旧久茂地小学校グラウンド=2016年12月、那覇市久茂地(那覇市文化財課提供)

 久茂地尋常小は1911年に建設され、44年の10・10空襲で焼失した。2015年3月に市文化財課が実施した試掘で、久茂地尋常小の遺構とみられる建物の基礎「礎石(そせき)」と石列が見つかった。これを受けて、16年11月から17年1月末まで記録保存のための本調査を実施している。

 本調査の結果、地表から約40~50センチに、一辺約30センチの礎石数十基が等間隔で並べられていることが確認された。礎石などを取り囲むように排水溝の跡も見つかった。最も長いところで長さ50メートル、幅は8・1メートルだった。

 久茂地尋常小は琉球王朝時代の上級神女「那覇大阿母(おおあむ)」の屋敷跡に設置された経緯があるが、今回の調査では屋敷跡に関係する遺構は発見されていない。

 同校跡地では18年度から新市民会館の建設が始まる予定。担当者は「事業スケジュールには影響が出ないようにしたい」と話した。

 市文化財課は、担当者による解説を15日の午前10時と午後1時に発掘現場で行う。