【アメリカ】女王に多くの県系 「二世週」、日系社会で貢献


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2016~17年の二世ウィーク女王のジャックリン・トミタさん(左から2人目)と王女ら(エイプリル・ニシナカさんは右から2人目)=昨年12月6日、ロサンゼルスの日本国総領事公邸

 二世週日本祭は、米カリフォルニア州ロサンゼルスにある日本人街「リトルトーキョー」で毎年8月に催される祭りだ。二世週祭や二世ウィークとも呼ばれる。元々日系2世の名を冠した祭りだが、今では日系アメリカ人文化・歴史を祝う、一般的な祭りとなっている。イベントは盛大で、全体で1カ月以上にわたる。

 二世ウイークが始まったのが1934年で、翌35年に初めての二世ウィーク女王が選出された。世界大恐慌時、日系人の生活を潤すためにロサンゼルス・リトルトーキョー周辺を中心に始まった二世ウィーク祭は1940年代の第2次大戦前後の約10年間を除いて継続され、2016年で76回目を迎えた。

 女王とその王女たちは1年間、親善大使として慈善活動などさまざまな活動を行い、日系社会のみならず米国社会でその奉仕の精神が高く評価されている。

 中でも二世ウィーク女王に選出されることは大きな名誉。1984年にタムリン・トミタさん、97年にジャネル・ハマバタさん、2009年にデイナ・ヘザートンさん、10年にラニ・ニシヤマさん、14年にトリー・ニシナカ・レオンさんと沖縄系の女王が誕生した。彼女らの選出は特筆されるべきもので、南カリフォルニアで「OKINAWA」の名を高めた。

 16年7月に女王に選出されたジャックリン・ヒデミ・トミタさんは沖縄系ではないが、女王としての経験について「16年7月から半年、女王としての経験は言葉では言い表せないほどのものがあった」と振り返る。現在、パーキンソン病対策センターの奉仕に全力を注いでいるというトミタさんは「残りの半年でさらにコミュニティーの支援に取り組む」と話した。

 王女のエイプリル・ニシナカさんは県系4世。「10月に初めて日本へ行った経験は忘れられない。その時に見た新幹線や日本食のおいしさに目を見張った。次の旅行で沖縄まで行くことができれば、食べ物や沖縄の文化を学び、英語でアメリカ社会に紹介したい」と県系人としての抱負を語った。(当銘貞夫通信員)