【中城】子どもたちの心身の成長を目的に、アスリートを中心にさまざまな競技の選手が「夢先生」として教壇に立つ「夢の教室」(日本サッカー協会主催)が25日、中城村の中城中学校で行われた。同協会の「JFAこころのプロジェクト」の一環。プロ野球中日ドラゴンズの又吉克樹投手(26)が夢先生として、中城中2年の生徒らに夢の実現に向かって自身で納得のいく決断を重ねていく大切さを伝えた。
又吉投手は、野球漬けの小学生時代を過ごしたが、中学進学後、内野手からピッチャーに転向した高校3年まで一度も公式試合に出場できなかった。大学に進学し野球を続けるに当たり「もしだめだったらとか、あれをすれば良かったと後悔したくない。自分で決めて自分で責任を持つ」と考え、周囲に雑音のない岡山県の大学に進学した。
大学では「レギュラーになる」「卒業までに球速140キロ以上を投げる」と目標を周囲に言い続けた。入学当初117キロだった球速は、卒業時には144キロまでに。父親から「今しかできないことを選びなさい」と助言を受けて進んだ独立リーグで活躍し、2013年10月に中日からドラフト2位指名を受けプロ野球選手になった。
又吉投手は「プロになって挫折感を味わい、初めて野球をしたくないと思った」と告白。2016年のシーズン終盤に「自分を信じないと始まらない」と原点に立ち戻ったことに触れ「今季は自分の納得のいく投球をする」と力を込めた。最後に「思ったことを言葉に出して、感謝を忘れず、納得のいく人生の決断を重ねていってほしい。俺は努力する姿を全力で応援する」とエールを送った。
又吉投手にスライダーの投げ方を教わった比嘉大和さん(14)は「切るように投げるなど、アドバイスが的確だった。『教室』も互いに声を掛け合って楽しかった。将来は野球選手になりたい」と話した。