【インドネシア】文化祭でエイサー演舞 県人会・新垣さん、地元高校生ら指導


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インドネシアの学生らとエイサーを披露した新垣杏奈さん(前例右から4人目)=1月21日、インドネシアのタンゲラン地区

 インドネシアのタンゲラン地区の高等専門学校(SMK)で1月21日、文化祭が開催された。文化祭のさまざまなプログラムの中で、インドネシアの沖縄県人会「しまーず」のメンバーの新垣杏奈さん(25)=中城村出身=がインドネシアの高校生とエイサー演舞を披露。会場は感動の拍手で包まれた。

 新垣さんは2016年8月から17年3月末までの任期で、国際交流基金の日本語パートナーズとして、地元の高校で日本語や文化を教えている。授業では沖縄の文化や伝統芸能の紹介も取り入れており、今回のエイサー演舞につなげた。

 演舞曲は宮沢和史さん作詞作曲の「シンカヌチャー」。新垣さんは「種を蒔(ま)いたら いつか芽が出て 枝を伸ばして 森が生まれる 実り多かれ 島に幸あれ そこがどこでも そこはウチナー」という歌詞がインドネシアの県人会を表現しているように感じ、この曲を選んだという。

 沖縄やエイサーを全く知らない地元の高校生たちに新垣さんがエイサーを教え始めたのは3カ月前。立ち上げたエイサーチーム「チャンプルーエイサー」には、タンゲラン地区の四つの高校の生徒15人と日本語パートナーズ6人が在籍する。

 インドネシアには「チャンプル」という言葉があり、沖縄のチャンプルーと意味も発音もほぼ同じだ。インドネシア人と日本人の混成チームでエイサーを踊るため「チャンプルーエイサー」と名付けた。

 新垣さんは「指導は言葉の壁があって大変だった。歌の意味、フェーシ(囃子(はやし))の意味を伝えるのに苦労した」と振り返る。だが、インドネシアの学生らは音感が良く「すぐに覚えてくれて、教えるのもすごく楽しかった」と笑顔を見せた。

 演舞終了後、エイサーを見ていた学生らが新垣さんに声を掛けてきたという。新垣さんは「学生が沖縄に興味を持ってくれたのがとてもうれしい」と話した。
(宮城亜希子通信員)