第一航空、月内に訓練 運航再開へ地元説明会 粟国


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住民説明会で謝罪する第一航空の幹部職員ら=13日、粟国村離島総合支援センター

 【粟国】2015年8月に粟国空港で小型機の事故が起き那覇-粟国路線が運休している問題で、同路線を運航していた第一航空は13日、粟国村離島総合支援センターで事故後初めての住民説明会を開いた。秋ごろとしている運航再開に向け2月20日から下地島空港で訓練を開始し、4月から那覇-粟国間の飛行訓練を実施することを明らかにした。住民からは安全性への懸念などで厳しい意見も出た。新城静喜粟国村長は「再運航してほしいとはまだ言えない」と述べた。

 冒頭、第一航空の西川昌伸社長ら幹部職員が謝罪し、問題点を改善した上で運航再開することに理解を求めた。再開に向け(1)運航乗務員の訓練体制の抜本的見直し(2)安全意識の徹底と法令順守教育の実施(3)安全管理体制の再構築-を図るとし、組織や訓練計画、安全管理規定を見直したことを説明した。

 住民からは「事故から1年半近くたっており、一日も早く謝罪するのが誠意ではないか」「改善内容は普段から当然実施しているべきものであり、事故後に改革をするのは運航がずさんだったということだ」などと批判の声が上がった。

 「再開後も事故機を粟国路線で利用するのか」との質問に対し、会社側は事故機は現在カナダのメーカーで修理中と説明し「2機のうちもう1機を使いたいが、点検などの関係でローテーションで(事故機も)利用すると思う」と述べた。漁業者の男性(42)は「事故を起こした機体を飛ばしても村民は乗れない」と憤った。

 一方、運航に対して県や村が出している補助金の、運休中の扱いを問われると「補助金は出ていない。飛行再開後は請求させていただきたい」と説明した。

 西川社長は「二度と事故にならないよう万全の準備を行い、信頼を回復できる航空会社になるよう精進したい」と理解を求めた。新城村長は「国交省の改善命令に従って安全体制を構築してもらいたいが、再運航してほしいとはまだ言えない。結果が確認でき次第、村民とも話し合いながら対応を検討したい」と述べた。
(外間愛也)