県は、県内に大学を新設できないかや既存大学に学部を増設できないかなどを検討するための調査委託費3200万円を2017年度当初予算案に計上した。沖縄の発展を支える人材の育成の場を増やし、大学進学率を向上させる狙いがある。現役高校生らへの意識調査や有識者らによる検討会議の意見を基に、17年度中に県の方針をまとめる予定だ。
事業受託者は17年度、現役高校生や県外大学進学者、県内の大学、産業界などを対象にアンケートを実施し、結果などを基に有識者らの意見をまとめ、県に報告する。
文部科学省の調査によると、15年度の県内高校出身者(既卒生含む)の大学進学先は県内3333人に対し、県外は3094人。県の21年度目標値「大学進学率45%」を達成した場合、進学先は県内3500人、県外3616人になると県は試算しており、県外への進学者が県内進学者を上回る数字が出ている。県企画調整課の担当者は「県内進学先の収容能力が不足していないかなど調べる必要がある」としている。
大学・短大進学率についても、16年度時点で全国平均が54・7%に対し、沖縄県は39・2%と15・5ポイントの差が出ており、総合大学設置や既存大学内への学部新設、県外大学のサテライト校設置などを検討し、実施することで県は大学進学率向上につなげたい考えだ。
県は10年間の沖縄振興計画「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の後期5年度に向けた改定案に「本県の将来を担う若者が長期的に沖縄の発展を支える基盤人材となるよう、大学の設置・拡充など高等教育を受ける機会の創出・環境整備などの諸施策を推進する」と盛り込んでいる。