沖縄、県税徴収率過去最高98・3% 15年度全国15位


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 過去に県税徴収率が全国下位に甘んじていた沖縄県が年々、徴収率を上げている。県税の徴収未済額の8割を占める個人県民税の徴収体制を2008年度から強化して徴収率が上昇し、15年度は全国平均を0・2ポイント上回る過去最高の98・3%で、全国15位に順位を上げた。県税徴収率の向上に併せて市町村税の徴収率も上昇している。

 県税徴収率は海洋博ショックの1970年代後半に80%台と低迷し、2001年度は92・4%で全国最下位だった。

 徴収率が伸びるきっかけは、02年からの4年間に小泉純一郎政権が進めた国と地方の行財政を見直した三位一体改革だ。

 所得税(国税)から、個人住民税(県民税や市町村民税)へ財源移譲されたが、増える税収分を各自治体が徴収する必要が生じた。

 県民税は、各市町村が市町村民税と合わせて課税、徴収する仕組みとなっている。県は08年度から那覇とコザ、名護の各県税事務所に個人県民税徴収対策チーム、09年度は県市町村税徴収対策支援本部をつくり、連携体制を整えた。市町村に一定期間内、チーム員を常駐させ、巡回しての助言や研修会の開催などで市町村の徴収体制を強化した。

 06年度に89・2%だった個人県民税の収入率は15年度は95・3%と改善し、県税全体の収入率も上がった。県税は11年度に初めて全国平均と並び、12年度以降は平均を上回っている。

 県税務課は県税徴収率の上昇について、コンビニでいつでも納税できるなどの環境が整ったことも挙げつつ「順調に収納が伸びている。職員の頑張りに期待し、17年度(の徴収率)は、16年度を超えたい」と意気込みを語った。(金良孝矢)