園児コツコツ70キロ踏破 美ら咲の18人、約2年かけ


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ゴール地点で待つ親の元へ駆け出す園児たち=18日、北谷町美浜

 【本部・北谷】1年10カ月前に本部町を出発し、定期的に歩く距離を決めて1日2~7キロを歩いてきた美ら咲保育園(本部町東、當銘巧園長)の4~5歳の園児18人が18日、ゴール地点に設定した北谷町美浜にたどり着いた。小さな足で、コツコツと積み重ねた総距離は70キロ。迎えた親や先生は「お疲れさま」「助け合い、よく頑張った」と目を細めた。壮大な挑戦は、園児の心身の成長にとって大きな一歩となった。

 18日午後2時すぎ、北谷町美浜のカーニバルパーク・ミハマ前。150メートルほど離れた国道58号側の交差点に、おそろいの黄色い服を着て、手をつなぎながら2列になって歩く園児たちが姿を現した。ゴール地点には、自作の横断幕を持って迎える保護者たちがいた。一生懸命歩く子どもの姿を見て、涙を流す親も。園児たちが笑顔でゴールすると、抱っこしたり、ハイタッチしたりして喜びを分かち合った。

 発案者は、きりん組顧問の財木貞徳さん(44)だ。「自分で歩くと、知らない場所を知れる。そのことを家で親と話せば、家族とのコミュニケーションにもなる」と始めた。歩いた日数は、保育園をスタートした2015年4月17日から最終日までの間の計16日。最終目標は「美浜の観覧車に乗ること」。月に1日、歩く日を決め、西海岸沿いの道を南下した。

 最終日の18日は、午前10時45分に嘉手納町兼久の海浜公園をスタートし、おにぎり休憩を挟んで5キロの道のりを歩いた。到着後は、親や兄弟と一緒に、念願の観覧車に乗った。

 崎原愛ちゃん(5)は「歩くのは楽しかった」と満足げ。観覧車は初めてという城間善成ちゃん(5)は「楽しかったし、観覧車も見れてうれしい」と満面の笑顔を見せた。

 日によっては、猛暑の日や悪天候の日もあった。それでも園児たちは手をつなぎ、一歩一歩、自分たちの足でゴールを目指した。

 保護者の後藤比登美さん(44)は「みんな自分が元気な時は、つらい子を引っ張ってあげていた。支え合いを通して、勉強できたと思う」と感激した様子で話した。

最終目的地の観覧車前で記念撮影する園児や親、先生たち