プロ野球セ・リーグで昨季25年ぶりの優勝を遂げた広島東洋カープの優勝パレードが25日、キャンプ地の沖縄市で行われた。選手らを祝おうと、市中心部の「コザゲート通り」は球団の赤いユニフォームや真っ赤な服などを着たファンであふれかえった。通り沿いの建物の窓から顔を出す人や、父親に肩車されて懸命に赤い旗を振る子ども、手作りの横断幕で選手をねぎらう人らの歓声が渦巻いた。球団史に残る“神ってる”リーグ制覇に、沖縄のカープファンらも熱い声援を送った。
直前に行われた中日ドラゴンズとのオープン戦を終え、会場に駆け付けた選手たち。沿道を埋め尽くす観客の熱気に囲まれ、約300メートルの道を一歩一歩踏みしめた。その勇姿を一目見ようと、ファンは身を乗り出して手を振ったり、写真を撮ったりした。
パレード前のトークイベントでは、市内の少年野球チームの児童から「プロ野球選手になるためには、どうしたらいいか」「キャプテンとしての役割は」など、次々と質問が上がった。子どもたちは憧れの選手達を前にきらきらとした視線を注いでいた。
パレードで横断幕を持って、選手を先導した新里治仁(はると)君(11)は「迫力があって興奮した」と笑顔を見せる。所属する野球チームで投手として活躍する新里君はテレビ画面で凝視していた憧れのジョンソン投手と握手し「手が大きかった」と目を輝かせた。
優勝パレードの再来を四半世紀も待ち望んだ沖縄商工会議所名誉会頭の太田範雄さん(89)は「もう幸せいっぱい。大感激だ」と顔をほころばせた。25年前、当時の山本浩二監督と共にオープンカーに乗った。目の前に広がる光景に「あの時より盛り上がってるかもしれない」と新たに加わった思い出を、胸に刻んだ。
ファン歴17年の大城直司さん(40)は「もう一度、いや何度でも優勝パレードしてほしい」と赤ヘル軍団の黄金期の到来を期待した。