首里城公園の有料区域内にある黄金御殿特別展示室で3日から「首里城出土品展-モノから見る交流と祈り」が始まった。「厭勝銭(えんしょうせん)」として使われた金貨計21枚のほか、日本製のよろい・かぶとの装飾金具、中国・清王朝の官窯(かんよう)で作られ朝貢体制下の国々に贈られた陶磁器の破片などを展示している。
首里城の復元整備に伴って進められてきた発掘調査で、多くの出土品が出ている。首里城での祈り、中国、日本との交流を、これらの出土品を通して考えようというのが同展の狙い。
厭勝銭とは銭をかたどった護符の一種のことで、首里城の聖域で見つかっている。「京の内」の8枚は、1996年に出土したチョウセンサザエの殻の中から2014年に見つかり話題になった。美福門側の御嶽では12枚、東(あがり)のアザナ北側で1枚出土した。これらを同時に展示するのは初めて。
清王朝官窯で作られた陶磁器は、緻密な技巧が椀(わん)や皿の破片から分かる。日本国内では大変珍しく、中国と琉球の関係がうかがえる貴重な資料となっている。
4月19日まで。入館料は大人820円。