医師の残業未払い9億超 沖縄6県立病院、16年度


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2016年11月に県立病院2病院が時間外勤務の当直医に賃金未払いがあるとして労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、6県立病院の医師・歯科医師の未払い金額が16年度だけで9億円を超える見込みとなった。8日までに県病院事業局がまとめた。

 同局は6県立病院全てに16年度の当直医師数や未払い金額の調査をした。その結果、在籍する約400人の医師・歯科医師のうち、298人が対象となった。報告金額では中部病院の約2億5千万円が最も多く、南部医療センター・子ども医療センターが約2億3千万円、宮古病院が約1億8千万円、八重山病院が約1億1千万円、北部病院が約1億円、精和病院が約2800万円となった。15日に県公務員医師労働組合と団体交渉する予定で、16年度人事院勧告などに基づく給与引き上げに合意すると、未払いの金額はさらに増えるとみられる。

 是正勧告では時効前の過去2年分の支給を求められている。また、看護師や検査技師、事務職などの医療従事者の時間外労働の賃金未払いについても指導を受けている。