“備”え忘れない 那覇で復興の灯火


この記事を書いた人 平良 正
約900本のろうそくで「備」とかたどられた「東日本大震災復興の灯火」=10日午後8時ごろ、那覇市久茂地

 東日本大震災から6年を前にした10日夜、那覇市久茂地のパレットくもじ前イベント広場で「東日本大震災復興の灯火」として、ろうそく約900本で「備」の文字がかたどられた。特定非営利活動法人「万国津梁の会」が毎年主催しており、今回が6回目の灯火。

 同会の松川直樹会長は「灯火を見た一人一人が、被災地の復興のために何ができるか考えてほしい」と願った。これまでの「祈」や「絆」の字ではなく「備」にした理由について「昨年は熊本地震が起こった。自然災害はいつどこで起きるか分からず、沖縄も無縁ではないと考えるきっかけになれば」と話した。

 点灯のボランティアとして、公務員を目指す専門学校生15人が参加した。我那覇樹実(たつみ)さん(19)=那覇市=は「東日本大震災を絶対に忘れてはいけない」と真剣な表情を見せ「自分は夢に向かって勉強しているが、東北の人たちは家や地域が被災し夢を実現するのが難しい人もいる。何かしたかった」と語った。