南カリフォルニアにはロサンゼルス郡をはじめ、サンバナディノ郡、サンディエゴ郡など大きな郡が存在する。その中の一つにオレンジ郡があり、日系人が多く住む。この地は一昔前までは見渡す限りのオレンジ畑であったが、今ではほとんどが住宅やオフィス街へと変わった。数十年前にオレンジ郡日系協会が設立され、日系人の需要に応えるサービスを行っている。
2月26日にアナハイムのヒルトンコンベンションセンターで、同協会の2017年度役員就任式と功労賞表彰贈呈式が催された。和太鼓の演奏、鏡開き、来賓の紹介などの後、宮城能松会が琉球舞踊で会を盛り上げた。
今回で会長職5年目を迎えるオレンジ郡日系協会の藤田貴美子会長は「オレンジ郡在住の日本人、日系人、そして日本と関わりがある方々のニーズに応え地域社会に貢献できる団体を目指す」とあいさつした。
功労者表彰式もあり、続木宗秋さん=岐阜県出身、造園業、重田光康さん=鹿児島県徳之島出身、レストラン経営、石原春雄さん=沖縄県出身、エンジニア=の3人に功労賞が授与された。
石原さんは日本でエンジニアとしての技術を取得。アメリカでこの技術を生かし、1983年から日本に本社のあるフジ・ナチュラルフードの技術者として活躍してきた。同社は栃木県と群馬県に2工場があるが、80年にロサンゼルス東部オンタリオに米本土の工場が設立された。
広大な土地に井戸水を利用し、毎日70トンのもやしやカイワレ大根の生産が行われている。石原さんはその工場で電気関係やスプリンクラーなどの技術者として携わっている。
本業の傍ら、沖縄民謡の師範としても活躍。妻の照子さんと共に沖縄県人会のイベントや日系団体にボランティアとして沖縄民謡を演奏するなどして地域社会に貢献し、尊敬を集めている。(当銘貞夫通信員)