沖縄にこだわり、沖縄に生きる人たちを撮り続ける写真家・石川真生さん(63)が、写真集の出版記念サイン会と国際写真アートディーラー協会主催の写真展参加を機に、28日から4月2日まで米ニューヨークで開かれる四つのイベントに参加する。
ニューヨーク各所で開かれるイベントは、故・平敷兼七さん、石川竜一さんと合わせ沖縄の3人の写真家の作品を紹介する写真展や、石川さんの叔母でニューヨーク県人会元会長のてい子与那覇・トゥーシーさん、ニューヨーク大学東アジア研究助教授の島袋まりあさんとのシンポジウム、石川さんの単独トークなどを予定している。
写真集は「赤花 アカバナー、沖縄の女」というタイトルで、ニューヨークの出版社「セッション・プレス」から今月、出版された。1975~77年にコザや金武で米兵相手の店で働きながら女性や米兵たちを撮影した写真の中から、未発表作品も含め80点を収録している。セッションプレスの須々田美和さんは「強く美しく生き生きとしたポートレートが素晴らしいと以前から思っていた」と語り、限定600部の刊行に至った。
石川さんは4年前から琉球・沖縄の歴史を怒りや風刺を込めて“再現”する「大琉球写真絵巻」に取り組んでおり、現在は第4弾を制作中だ。今年、進行度の高いステージ4のがんが見つかった。だが今は秋の「―絵巻展」開催へ向けて突っ走る日々だ。「43年間の写真家人生の経験、人脈を総動員してやっている」。沖縄を見詰め燃やし続ける信念を、写真で表現する。
写真集「赤花―」はアートフォトブック専門の流通を手掛ける「トゥエルブブックス」のホームページで購入できる。価格は1万1千円(税別)。(大城周子)