辺野古岩礁破砕期限切れ 国工事続行、県は反発


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が2014年8月に仲井真弘多前知事から得た県の岩礁破砕許可が31日、期限切れを迎えた。防衛局は許可の前提となる漁業権が消滅したとして許可を申請せず、工事を続ける方針。県は許可を得ずに岩礁破砕行為を行った場合は「県漁業調整規則に違反する」としており、法的措置を検討する。一方、防衛局は31日、埋め立て工事前に周辺海域に設置する汚濁防止膜を海底で固定する大型コンクリートブロックの投下を終えた。

 防衛局は週明けにも海底のブロックと海上の汚濁防止膜を結び付け、固定する作業に入る見通し。設置が終わり次第、4月中にも埋め立ての初段階となる護岸工事に着手する計画。

 一方、県は防衛局が許可を得ずに岩礁破砕行為に及んだ場合、工事差し止め訴訟の提起や県漁業調整規則違反による刑事告訴などを検討している。県は1日から現場に監視船を派遣し、防衛局の作業状況を監視する。防衛局は1、2日は海上作業を行わない予定で、3日以降に再開する。

 政府は、地元の名護漁協が漁業補償金を得て、漁業権放棄に同意したことで、現場海域の漁業権が「消滅した」と主張している。

 県は漁業権は知事の許可を受けて分配される公共財であり、漁協の内部手続きだけで消滅するものではないと指摘。知事の許可なしに共同漁業権の変更(一部放棄)はできないとし、漁業権は存在するとしている。