神戸大大学院理学研究科特命講師の末次健司さんが本島北部の森でラン科の新種2種を発見し「ヤンバルヤツシロラン」「ツツザキヤツシロラン」と命名した。地元愛好家らと山歩きを続けて発見し、命名にも地元で使われている愛称を採用した。末次さんは「研究が進んでいる植物で新種が見つかるのは珍しい。やんばるの森の豊かさを示している」と話した。7日、植物分類学の国際誌サイトタクサにオンラインで掲載される。
2種は、光合成をせず菌類の菌糸を根に取り込んで栄養を得る「菌従属栄養植物」。葉がなく、花や果実を付けるわずかな時期しか地上に現れないため、分かっていないことが多い。末次さんはやんばるの森に通い、2012年、県内の植物に詳しい渡邊たづ子さん(70)=宜野湾市=らの案内でこの2種を見つけた。
ヤンバルヤツシロランは高さが3~6センチで従来からやんばるに生えているハルザキヤツシロランと思われていたが、花の外見がやや異なった。ツツザキヤツシロランは高さ10~17センチで、渡邊さんは「図鑑に載っておらず、形状から仲間内で“筒咲き”と呼んでいた」と説明した。
英文へ→Discovery of new orchid in Yambaru reported in international journal