高校野球の春季九州大会(第140回九州大会)は25日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇などで準々決勝が行われ、ベスト4が決まった。美里工(沖縄2位)は4―3で九産大九州(福岡1位)に競り勝ち、7季ぶり2度目の4強入りを果たした。沖縄尚学(沖縄1位)は選抜大会4強の秀岳館(熊本・推薦)に1―3で逆転負けし、美来工科(沖縄3位)は神村学園(鹿児島1位)に0―3で敗れた。鹿児島実(鹿児島2位)が昨年春夏王者で選抜大会8強の福岡大大濠(推薦)を6―1で破った。準々決勝は休養日を挟んだ27日に、沖縄セルラースタジアム那覇で午前10時から鹿児島実―秀岳館、午後0時半から美里工―神村学園、28日午前10時から決勝を行う予定。
◆鍛えた走塁 土壇場で/三回単打集中、一挙3点
美里工が九産大九州(福岡1位)とのシーソーゲームを制した。単打で3得点を挙げる走塁の良さと、投手を信じて最後まで好リードを貫いた捕手の判断が光る試合だった。
三回2死一、三塁で2番安慶名優斗が左前適時打を放ち先制。4回に逆転されて迎えた五回。四球や安打による2死満塁で5番吉田竜二が打球を右方向に運んで2走者が生還。相手捕手が二塁を目指す吉田を刺そうするタイミングで、一塁から三塁に届いていた崎濱楓希が即座に飛び出して本塁を陥れるなど、計3点を奪い返し、逆転した。
冬に鍛えた走塁練習を土壇場で発揮した選手らに神谷嘉宗監督は「走塁は冒険させないとうまくいかない」と語り、胸を張った。
投げては、島袋寿成が自責点2で先発完投した。4―3の七回には得点圏に走者を許すなど制球が乱れた。神谷監督は投手交代を促したが、捕手崎濱は「まだ大丈夫」と首を縦に振らなかった。島袋はその期待に応え、無失点で切り抜けると、最終回まで三者凡退に抑えて逃げ切った。
県代表として準決勝に残ったのは美里工のみ。神谷監督は「最後まで勝ち残る」と、開催県チームとして気を引き締めた。
<きのうの結果>
▽準々決勝
美里工 4―3 九産大九州 (福岡)
秀岳館(熊本) 3―1 沖縄尚学
神村学園(鹿児島) 3―0 美来工科
鹿児島実 6―1 福岡大大濠