自然の色彩、鮮やか  ヨナグニサンが羽化 与那国の資料館


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アヤミハビル館の遊歩道で確認された雄のヨナグニサン。13日に羽化した雌のヨナグニサンと交尾に成功した=与那国町

 【与那国】与那国町の自然資料館・アヤミハビル館で13日、世界最大級のガのヨナグニサンが羽化し、来館者を喜ばせている。

 ヨナグニサンは県の指定天然記念物で、与那国島ではアヤミハビルの名で呼び親しまれている。
 アヤミハビル館では、県文化財課の許可を得て保護増殖に取り組み、展示や種の保存に役立てている。
 同館専門員の杉本美華さんによると、羽化は昨年よりも2週間ほど遅かったという。13日に羽化した2個体はいずれも雌。空繭に静止させたまま生息地の森に移動させると、朝までに野生個体の雄が飛来し、交尾に成功した。
 その後はアヤミハビル館の周辺に整備された遊歩道でも、羽化したばかりの野生個体が確認されている。例年よりも羽化が遅れていることで、今年はゴールデンウイークに島を訪れる観光客もアヤミハビルに出合うチャンスがありそうだ。杉本専門員は「無事に雌が羽化し、感動とともに安堵(あんど)した」と話した。
 この羽化以降に、島内の林道などで成虫を見掛けたという情報がアヤミハビル館にも寄せられるようになった。
(村松友紀通信員)