辺野古「今日が本当の着工」 砕石投下で粉じん、白く濁る海


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設計画で、沖縄防衛局は8日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部の「K9護岸」に砕石を投下するなどの作業を行った。これまで網袋に入った砕石を護岸に並べていたが、網袋に入っていない砕石を投下する作業が新たに始まった。抗議する市民からは「今日が(護岸工事の)着工だ」との声が上がった。

袋詰めされていない採石が敷かれ、海水が白く濁る工事現場=8日午後5時ごろ、名護市辺野古(小型無線ヘリで撮影)

 K9護岸では作業員が同日午後からダンプで砕石を海岸に運び、クレーンの先のかごに砕石を入れて投下した。少なくとも10回以上は投下し、投下の際には粉じんが舞い上がった。夕方が近づくにつれ潮が満ちてくると、積み上げられた砕石に波が当たり、水しぶきが上がる様子も確認された。

 建設に反対する抗議船船長の相馬由里さん(39)は、網袋に入れていない砕石が海に投下されたことに「海が壊されている。今日が(護岸工事の)着工だ。これまでのものはパフォーマンスだ」と批判した。投下するたびに粉じんが上がるのを見て「海の汚染を防ぐために一度洗ってから持ってくることになっていたはずだ。洗っていないのではないか」と疑問を呈した。

 カヌーで海上から抗議する柴田鉄也さん(29)は、間近まで接近して投下を確認した。大きい石は長さ1メートル程度だったという。「これまでの作業の延長だと思っていたら、いきなり投下したので驚いた」と話した。

 陸上のシュワブゲート前では新基地建設に反対する市民ら約100人が座り込んだ。8台の工事関係車両が3回にわたり計45台、基地内に入った。