嘉手納降下は「違反」 稲田防衛相、米に遺憾伝達


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 【東京】稲田朋美防衛相は12日の閣議後会見で、1996年のSACO(日米特別行動委員会)合意で、伊江島補助飛行場で実施することになっている米軍のパラシュート降下訓練が嘉手納基地で10日に実施されたことについて「例外的な場合に当たるとは考えていない」と述べ、合意違反に当たるとの認識を示した。また、米側に遺憾の意を伝えるとともに、引き続き伊江島での訓練実施を求める考えも示した。

 県や周辺自治体は嘉手納基地での降下訓練を認めていない。だが、日米両政府は2007年の日米合同委員会で、伊江島の天候面などで悪条件があった場合に「嘉手納基地を例外的な場合に使用する」と確認し、例外的に認めている。一方、米軍はことしに入り毎月、うるま市の津堅島沖、嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施しており、伊江島以外での訓練が「常態化」している。

 稲田氏は訓練状況について「例外的に当たるのか米側から十分な説明もなく、事前に日米で認識を共有するに至らないまま嘉手納飛行場で訓練が行われたことは大変遺憾」と批判した。

 SACO合意違反に該当するかについては明言しなかったが「例外的な場合にのみ許される。例外的な場合には当たらないのではないか」と指摘した。

 5月15日に沖縄の日本復帰から45年となる中、過重な基地負担の現状が維持されていることについては「現状は是認できず、負担軽減を図っていく。目に見える形で、確実に結果を出す」と主張した。