「基地引き取り」東京の会が本格始動 20日シンポ、知事会へ訴え


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沖縄への米軍基地集中という「差別」をなくしたいと語る浜崎眞実さん=9日、東京都内

 【東京】4月に発足した「沖縄の基地を引き取る会・東京」(浜崎眞実、飯島信共同代表)は20日に開くシンポジウムを皮切りに活動を本格化させる。6月16日には東京都内で記者会見を開き、沖縄の米軍基地を本土に引き取ることを全国知事会に訴えるほか、6月24日には集会を予定している。共同代表の浜崎さんと飯島さんは「仲間を全国に増やし、沖縄の基地を引き取る世論を喚起したい」と語った。

 浜崎さんは約20年間、名護市辺野古の新基地建設の現場に足を運んできた。政府の強硬姿勢を現場で見るたびに、基地の過重負担は「ヤマトの沖縄差別」と捉えるようになった。「ヤマトの人間たちは沖縄の人たちの足をこのまま踏み付け続けていいのか。あまりにも差別に無自覚だ」

 飯島さんは全国の世論調査で日米安保を7割以上が支持していることを重視する。「安保を支持するなら責任を果たすべきだ。それは目の前に基地を置くということだ」。本土の米軍基地反対運動に取り組む人々から「沖縄の基地引き取りは現実的ではない」という批判もある。

 こうした批判に対し、飯島さんは「現実的かどうかと言う前に、まずは沖縄に犠牲を強いている差別状況を認識しなければならない。差別をやめるために基地を引き取ることを決めて、その後どうするかだ」と反論する。現在「引き取る会」は大阪、新潟、福岡、長崎でも発足している。東京の会は今後、これらの会と連携して全国的な世論を喚起し「沖縄の基地引き取り」を政治課題に押し上げていく運動を広げる考えだ。

 シンポジウムは20日午後1時半から、東京都新宿区西早稲田の早稲田奉仕園で開かれる。連絡先は飯島共同代表(電話)080(7010)2170。