世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチ12回戦(20日、東京・有明コロシアム)で新王者となり、県出身では25年ぶりに正規の世界王座を戴冠した比嘉大吾(21)=白井・具志堅スポーツジム、宮古工高出、浦添市出身=は21日午後1時すぎ、勝利から一夜明けて有明コロシアムで会見を行った。
赤いジャージーの上下を着て緑色のチャンピオンベルトを大事そうに携えた比嘉は「1回はどうなるか怖かったが、2回からはしっかり戦えた。県民の皆さん、応援ありがとう。沖縄からもっと有名なチャンピオンになります」と地元からの声援への感謝を語った。浦添市は9日に祝賀会、宮古島市では11日に凱旋(がいせん)パレードを行う予定。
会見に同席した具志堅用高会長(61)は「今朝、新聞を見て涙を流しました。素晴らしい夢を与えてくれた」と喜んだ。比嘉はジムが育てた初の男子正規王者となった。もし王座奪取に失敗したらジム閉鎖も考えていたと語り「チャンピオンを育てるのは難しい。大吾はリングに上がる前からチャンピオンになる顔をしていた」とまな弟子の勇姿をたたえた。
タイトルマッチは20日夜、制限体重超過と計量放棄で王座を19日に剥奪されたフアン・エルナンデス(メキシコ)と行い、6度のダウンを奪って6回2分58秒TKOで比嘉が勝利した。会見にはWBCライトフライ級新王者となった拳四朗も列席し、会見の合間に比嘉と笑い合っていた。【琉球新報電子版】