【アメリカ】継承発展誓い喜びの舞 北米県人会芸能部、創立30周年で公演


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かじゃでぃ風を踊る県人会芸能部のメンバー=7日、米カリフォルニア州トーランス市のジェームスアームストロング劇場

 北米沖縄県人会芸能部は7日、米カリフォルニア州トーランス市にあるジェームスアームストロング劇場で、創立30周年記念公演を行った。「謡やびら 踊やびら」と題した公演では、実行委員長の与那嶺恵子師匠がリーダーとなり、「かりゆしの踊り」など19演目が披露された。

 特に最終演目の「黒島口説」が圧巻だった。竹富島の民謡を全芸能部員が演じた。中には女子児童の踊り手もいて、動作がかわいらしく、また太陽のようなおおらかさ、明るさで島の生活、風俗を身振り手振りで表現していたのが印象的だった。

海のチンボーラーを踊る県人会芸能部のメンバー=7日、米カリフォルニア州トーランス市のジェームスアームストロング劇場

 県人会芸能部は1987年、12教室の教師が集まり、琉球芸能文化の普及、発展と継承を目的に発足。古典音楽、民謡、舞踊、箏、太鼓など現在20の教室がある。

カチャーシーを踊る県人会芸能部のメンバー=7日、米カリフォルニア州トーランス市のジェームスアームストロング劇場

 芸能部長の新城義道さんは「異文化の地での(沖縄芸能の)普及は並々ならぬ苦労もあるが、みんなで協力して、沖縄芸能の育成に励んでほしい。芸能部は今後もっと発展していく」と話した。北米沖縄県人会長のエディー・カミヤさんは「芸能部は県人会のミッション(使命)に多大な貢献をしてきた。われわれのミッションとはこの地で沖縄の芸能を継承、普及し、会員の社会的地位や教育レベルの向上を目指して地域や国際的文化交流に寄与することです」と強調した。

 1900年代初頭から沖縄芸能は1世を中心に多くの機会を通して紹介されてきた。だが、次世代に沖縄の伝統芸能を継承していく必要性から芸能部が設立された経緯がある。現在では、5世や6世の若い世代や他県出身者も沖縄芸能に興味を持つようになり、ますます隆盛を極めつつあるのが現状だ。
(当銘貞夫通信員)