幻のラン咲く 名護・イリオモテラン


この記事を書いた人 琉球新報社
見事に開花した「幻のラン」イリオモテラン=22日、名護市内

 【名護】自然界ではほとんど見られなくなったイリオモテランが、愛好者の手で見事、名護市内で開花した。

 自然林の樹幹に着生する。着生ランの中では最大級とされる。石垣島や西表島ではかつて見られたが、もともと少ない上に乱獲などでほとんど見られなくなった「幻のラン」だ。県と環境省は絶滅危惧種に指定している。

 名護市の愛好家らが40年ほど前に市販されていたものを手に入れヘゴに着生、大事に育ててきたという。花茎は4本も出て大株だった。茎の根元から新しい株が出てくるのでよく増えるという。

 花は淡黄色で内面に紫褐色の斑点が入る。葉はバンダに似て厚い革質で長さ15センチほど。分布は西表島や台湾など。ラン科。(幸地光男通信員)