「普天間」交渉明らかに 下河辺文書、沖縄県公文書館が公開


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 沖縄県公文書館は31日から、「下河辺淳文書」を一般公開する。故下河辺淳氏は元国土事務次官で、1995~96年、米軍用地の代理署名訴訟で対立していた大田県政と橋本内閣の仲介をしたほか、普天間飛行場返還問題にも関わった。政府の交渉途中のメモや書簡が公文書として保存されることは極めてまれで、当時の政策決定や交渉過程を資料から垣間見ることができる。

 下河辺 淳氏

 文書はファイル185冊と目録1冊。当時の大田昌秀知事と橋本龍太郎首相の対話のきっかけとなった「沖縄問題を解決するために」と題する「下河辺メモ」もある。普天間返還合意時に官房長官だった梶山静六氏が下河辺氏に宛てた、普天間飛行場の移設先を名護市辺野古とする理由を記した直筆の書簡などが含まれている。

 下河辺氏の「沖縄に役立つよう公的機関に預けたい」という意思を受け、昨年6月、所蔵していた日本開発構想研究所が県公文書館に寄贈した。

 同館公文書管理課資料公開班の仲本和彦班長は「資料群の点と点を結ぶことにより、誰がいつどのような判断を下したかが浮かび上がる」と資料公開の意義を説明した。31日からの公開で、閲覧の手続き後、原本を見ることができる。問い合わせは県公文書館(電話)098(888)3875。

県公文書館で公開される下河辺文書のうち梶山静六氏の書簡