上里(陽明)ウエルター級V 県高校総体第4日


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 2017年度県高校総合体育大会第4日は30日、各地で競技を行い、ハンドボールは男子の興南が13連覇、女子は浦添が3年ぶり9度目の優勝を飾った。バスケットボールは男子の興南が2連覇、女子の那覇が5連覇。ボクシングは8階級の決勝があり、ライトウエルター級の屋嘉部悠大(沖縄水産)が2連覇、ウエルター級で上里龍海(陽明)、ライト級で親川夏輝(浦添)が頂点に立ち、ピン級は1年生の又吉日向(未来沖縄)が制した。学校対抗は美来工科が1位だった。バレーボールは男女とも西原が制し、男子は8連覇、女子は9連覇。陸上の女子1600メートルリレーで中部商(岩永留奈、古波藏玲奈、上江洲夏実、津波愛樹)が3分54秒07で大会記録を塗り替え、男子円盤投げで新垣太登(中部商)が大会新記録の47メートル80で制し、女子三段跳びは玻座真そら(那覇西)が11メートル60で大会新で頂点に立った。2位の熊谷朔良、3位の伊差川真愛、4位の海老沼りさも大会記録を更新した。ボウリングは個人男子の平良直也(小禄)、同女子の太琳華(中部商)が優勝した。卓球団体は男子の前原が優勝し、女子の普天間が6連覇を果たした。28日の競泳男子1500メートル自由形で優勝した又吉盛一(浦添商)の16分27秒49は県新記録だった。

恩師へささげる復帰勝利

ウエルター級決勝戦 狙い澄ました右ストレートで攻める上里龍海(陽明)=30日、糸満市の沖縄水産高体育館(諸見里真利撮影)

 中学時代に全国を制した実力者・ウエルター級の上里龍海(陽明3年)が2年ぶりにリングに戻り、復活優勝を果たした。久々の試合だったが、「パンチは見えていた」。決勝も集中打でダウンを奪うなどし、判定で頂点に立った。「ボクシングを楽しめた」と充実した表情だった。

 上里にはどうしても勝ちたい理由があった。中学3年時にU―15で全国王者となり、高校入学後も競技を続け、1年時の県総体と九州総体で準優勝した。さらに技術を磨く時期にボクシングから離れた。「気持ちが弱かった」。

 何度も復帰を促してくれていた顧問の城間弥教諭が離任することになった3月。離任式で全校生徒らの前で「復活優勝を期待しています」とマイクを通して呼び掛けられ、背中を押された。

 「みんなの前で言った顧問に恥をかかせられない」。復帰を決意すると、約2カ月間ボクシングに打ち込み、懐かしの会場で期待に応えた。

 決勝はラッシュを仕掛ける相手に対し、ガードしながら打ち込んだ。当たっている手応えを感じた2回、打ち合いの中で右ストレートを相手のこめかみに打ち込むと、左アッパーで顔を上げ、ラッシュで畳み掛けダウンを奪う。それでも「相手の手数は多く安心はできない」とその後も攻め続けた。恩師へささげる勝利を手に、次は「県代表として恥じない試合を九州、全国でできたらいい」と王者の自覚を見せた。(崎原有希)