稲田防衛相、嘉手納基地の旧駐機場使用容認


この記事を書いた人 松永 勝利
会見で記者の質問に答える稲田朋美防衛相=2日午前10時ごろ、東京・市谷の防衛省

 【東京】稲田朋美防衛相は2日午前の閣議後会見で、1996年のSACO(日米特別行動委員会)最終報告に基づきことし1月に移転した米軍嘉手納基地の旧海軍駐機場について、米軍が今後も使用することを容認する意向を示した。使用中止を求めておらず、SACO合意違反との認識も示さなかった。米軍の使用を全面的に容認した形となった。
 稲田氏は今回の使用は「例外的」との認識を示した。しかし米軍は琉球新報の質問に対して、旧駐機場を今後も使用すると回答していることについては「SACO最終報告の騒音軽減イニシアチブの趣旨を踏まえた運用を行うよう強く求めている」と述べるにとどめ、使用を中止すべきとの認識は示さず米軍の使用を追認した形だ。
 防衛省はこれまでに旧駐機場について米軍に対し抗議している。しかし抗議内容は①米軍が韓国烏山(オサン)基地のU2偵察機の飛来日を1日として通知していたにもかかわらず、変更なく31日に飛来した②騒音が発生しないよう牽引で移動するよう強く要請したにもかかわらず、格納庫の前まで自走した―の2点で、使用中止までは求めていない。
 駐機場はSACO合意の騒音軽減イニシアチブとして、県道74号沿いから基地中央部に移設された。だが現在も駐機場の機能は残っている。【琉球新報電子版】