開発が進む沖縄県北中城村の米軍泡瀬ゴルフ場跡地から出る生ごみをバイオガス発電や液肥として活用し、農業振興を図る計画を北中城村が進めていることが2日までに分かった。バイオガス発電を、照明などで電力を必要とする植物工場などに充て、液肥は水耕栽培に用いる。生ごみを使ったバイオガス発電は県内で初めて。2019年度の実施を目指している。
泡瀬ゴルフ場跡地にある大型商業施設のイオンモール沖縄ライカムからは、1日2トンの生ごみが出る。高層マンションの建築も進んでおり、3千人の人口増を見込んでいる同地区から出る生ごみの対策が村に求められていた。
生ごみは発電プラントが備えられた「バイオマスエネルギーセンター」に送られる。生ごみの発酵により生まれる熱エネルギーを電気に変換し、施設に併設する植物工場などで利用する。熱を利用した温浴施設などの運営も視野に入れている。
村は年内にセンターの設置場所の候補を絞り、候補地の住民への説明会を開催する。
エネルギーセンターの運営は民間事業者や指定管理者などの民間活用が有力となっている。センターや周辺施設の整備には2億3千万円を見込んでおり、国の補助金などを活用する。
村企画振興課の鹿島直昭参事は「食べ物の循環を通してエネルギーと農産物の地産地消ができ、地域の振興につながる。農商工の連携ができれば、地域経済が向上して雇用も生まれる」と語った。