岩手漂流船、久高島沖に 東日本大震災から6年余


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東日本大震災から約6年後に発見された岩手県所属の漁船=28日、南城市の久高島沖(中城海上保安部提供)

 2011年3月11日に発生した東日本大震災で岩手県陸前高田市から流出した漁船が約6年後の6月28日、約2千キロ離れた南城市の久高島沖で見つかった。船は岩手県陸前高田広田湾漁業協同組合に所属し、所有者は「船名・登録番号から自分の船に間違いない」と話しているという。

 船は約6メートル、全体に海藻が付着しているという。中城海上保安部が沖縄市海邦町の巡視船艇基地までえい航した。船は今後、県内自治体が引き取り、広田湾漁協や所有者らが相談し、処分など取り扱いを決める見通しだ。

 広田漁協によると大震災で流出した船の発見はこれまで3件あるという。米国ロングビーチへの漂着や、青森県津軽海峡、関東沖での漂流事例があった。

 船は28日午前6時40分ごろ、久高島の北東約8キロ付近で船底を上にした状態で漂流していた。付近を航行していた海上自衛艦まつゆきが発見し、中城海上保安部に「転覆船を発見した」と通報した。

 中城海保によると、東日本大震災で流出した漁船で同部管内の発見は3件目。12年11月30日にうるま市津堅島の南東約7キロで宮城県の船、15年6月18日に南大東島の北約500メートルで岩手県の船が見つかった。