第20回沖縄県中学校総合体育大会の空手競技大会(1日、県立武道館)。会場をひときわ沸かせたのが石垣市立大浜中学校の活躍だった。組手団体女子に出場、1回戦の安岡を2―1で下すと、あれよという間に初の決勝進出を果たした。沖縄尚学に敗れ、栄冠獲得はならなかったが、同校初の2位に輝いた。躍進の原動力になったのは「大道3姉妹」で、試合後、3人の表情は充実感で晴れやかだった。
大会前、チームは「まず1回戦を勝つ」ことを目標にした。その初戦を勝ち上がると、続く準々決勝は伊良波を2―1で、準決勝は大宮を2―0で撃破した。迎えた決勝は、沖尚に0―2で敗退したものの、初の九州大会と全国大会出場の切符を手にした。
姉妹は3年で双子の大道妃夏(ひな)と朱夏(しゅか)、1年の妹あかりの3人で、いずれも5歳から極真空手石垣道場でフルコンタクト空手を学んできた。「蹴りをめっちゃ練習してきたので役に立って良かった」(妃夏)。個人戦は振るわなかったが、団体戦では誰か1人が負けても、残りで取り返す姉妹ならではの「チーム力」で勝ち進んだ。
勝ち上がる中で「まずは1回戦を…」という気持ちは勝利へのこだわりに変化し、「最後は勝つことを目標に戦っていた」(朱夏)。
決勝は先鋒、中堅を妃夏、朱夏が務めた。先鋒戦、有効を先に取られた妃夏は積極的な攻めで中段突きを返した。その後は両者得点が入らずに1―1の先取有効で敗退。中堅の朱夏は個人戦3位の比嘉に0―5と完敗した。
「私の方があんたより強い」とつつき合い、笑い合う姉たちに、「厳しいが頼りになる」と末っ子のあかり。互いに信頼し合う関係が、試合での粘り強さにもつながっている。初の九州、全国大会へ向け、大道3姉妹は熱い夏を迎える。(石井恭子)