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【ハワイ】戦没者のみ霊慰め 「慰霊の日」350人参加

ハワイ沖縄連合会のヴィンス渡部会長(右から3人目)から感謝状を贈られた陸軍情報部(MIS)所属で通訳兵として沖縄戦に従軍した儀間真栄さん(同4人目)、大城義信さん(同6人目)、比嘉武二郎さん(左から2人目)ら=6月、米ハワイ州ワイパフのハワイ沖縄センター

 沖縄の「慰霊の日」に合わせてハワイ時間の6月22日(日本時間同23日)に米ハワイ州ワイパフのハワイ沖縄センターで、沖縄戦の戦没者を国籍や敵味方に関係なく追悼する会「IREI NO HI」が開かれた。「IREI NO HI」は終戦70年を迎えた2015年からハワイ沖縄連合会主催で毎年開催されている。今年はデービッド・イゲ州知事の夫人のドンさん、三澤康在ホノルル日本総領事ら総勢350人が集まった。

 2代目貞心会ハワイによる唄三線とともに開幕し、厳粛な雰囲気が会場を包んだ。追悼会を企画したグエン・フジエさんは「私たちの先祖が沖縄戦で体験した痛み、苦しみを完全に理解することは不可能だ。しかし、私たちには理解するように努め、戦争経験者のさまざまなストーリー(物語)を語り継ぐ義務がある」とあいさつした。その後、参加者全員で戦没者に対して1分間の黙とうがささげられた。


沖縄戦で通訳兵として民間人を救出した県系2世の活躍を紹介する劇などが上演された沖縄戦の追悼会「IREI NO HI」の参加者

 ハワイ沖縄連合会を代表し、ヴィンス渡部会長から第2次世界大戦時に陸軍情報部(MIS)に所属し、沖縄戦でガマに隠れた民間人の救出に尽力した比嘉武二郎さん、儀間真栄さん、大城義信さん、ハーバート・ヤナムラさん、テッド・ツキヤマさん、ハーバート・マツモトさんらに感謝状が贈られた。追悼会ではガマに向かってウチナーグチで呼び掛け、人々を助け出す沖縄戦当時の様子を描いた劇も上演され、参加者を一気に引き込んだ。

 今年はMISで米軍通訳兵として沖縄戦に従軍した故比嘉太郎さんにスポットが当たった。帰米2世の比嘉さんは9歳まで、両親の古里、北中城村島袋で暮らした。住民の投降をウチナーグチで呼び掛けることで、島袋の住民を始め多くの命を救った。

 戦後、ハワイへ戻った比嘉さんは県民の苦しい状況をハワイの人々へ訴え、ヤギや豚、医薬品、衣類、文房具を沖縄へ送る支援の一声を上げたことでも知られる。15年にNHKで放送された、比嘉さんのドキュメンタリー「戦場の真心チムグクル~沖縄を救った日系人」も上映された。参加者は終始真剣な表情でドキュメンタリーに見入っていた。