辺野古の環境保全策、沖縄県が検証へ


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
網袋に入った砕石を海に投下する作業=7月3日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸

 沖縄県は米軍普天間飛行場移設に伴う辺野古新基地建設工事に関し、防衛省沖縄防衛局が設置した環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大大学院教授)が有効に機能しているか否かを検証する方向で検討に入った。

 自然保護団体と20日に意見交換した県の謝花喜一郎知事公室長が明らかにした。県は環境保全の側面から新基地建設事業の欠陥を指摘することで辺野古新基地建設阻止への一助にしたい考えだ。県と面談した日本自然保護協会の安部真理子主任は「大きな一歩だ」と県の姿勢に期待を示した。

 環境監視等委員会は、仲井真弘多前知事が埋め立て承認する際、承認の条件として設置された。有識者が沖縄防衛局に助言する機関と位置付けられているが、自然保護団体や識者からは保全策の有用性や議事録要旨しか公表されない運営手法などに批判が上がっている。

 今回の面談は、新基地建設阻止に向けさまざまな策を検討する県が、環境の面からの助言、協力を求めて日本自然保護協会に書簡を送ったのがきっかけ。協会の亀山章理事長、安部主任、国際自然保護連合(IUCN)生態系委員会の河村雅美さん、ジュゴン保護キャンペーンセンターの吉川秀樹さんが出席した。

 県はこれまで、自然保護団体から「要請」を受けることは度々あったが、意見交換の場を設定するのは異例。意見交換は予定の1時間から30分超過し、県、自然保護団体双方とも「有意義な場だった」と評した。