強行阻止の願い、夏空に託す 辺野古「人間の鎖」、できることから


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する集会「辺野古・大浦湾の埋め立てを止めよう!人間の鎖大行動」が行われた22日、2千人(主催者発表)の市民が辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前に詰め掛けた。「子や孫のために」との思いで参加した老夫婦や親子、「自分にも何かできないか」と駆け付けた若者。世代を超えて集結した市民は、互いにつないだ手を通じて新基地建設阻止への思いを一つにした。

新基地建設反対を訴え、風船を飛ばす参加者=22日、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前

 気温33度、焼け付くような日差しの下で県内外から続々と人が集まった。三線や手製のマラカス、ハーモニカの音色に合わせ平和を願う歌声がゲート前に響いた。午後2時ごろ、集会開始と同時にキャンプ・シュワブのフェンス前に立ち、ゲートを封鎖した人の波は約1・2キロにも及んだ。

 「新基地は絶対に造らせない」。市民の願いが込められた色とりどりの風船千個が晴れ渡った青空に一斉に放たれた。風船は風に乗り基地内へと運ばれた。祖母と共に訪れた西原町の中学2年生、木村真理さん(13)は「基地をなくしたいという気持ちはみんな一緒なんだと思った。参加できて良かった」と話した。

 沖縄県音楽協議会のギターに合わせ、つないだ手を上下させて波を形作る「ウエーブ」では、人の多さからうまくいかず、ぎこちない動きに笑い合う姿もあった。市民は「NO BASE HENOKO(辺野古に基地はいらない)」と書かれたプラカードを基地に向けて掲げた。西原町から参加した慶田盛ともえさん(74)は「有無を言わさず工事を進めるやり方は沖縄差別だ」と政府を批判した。

 24日には県が国を相手に岩礁破砕の差し止め訴訟を那覇地裁に起こす。沖縄平和市民連絡会の真喜志好一代表世話人=建築家=は「当然の行為だ。岩礁破砕許可はいらないとする国の独自の見解で工事を強行している」と強調した。