2008~15年の8年間に国内で発生した在日米軍人・軍属とその家族による犯罪摘発件数について、沖縄県が全国の47・4%を占めることが27日までに分かった。全国知事会内に設置されている米軍基地負担に関する研究会がまとめた。
沖縄県の在日米軍専用施設の負担割合は70・4%と高い水準にある。航空機の騒音被害や墜落危険性などの負担も指摘される中、犯罪被害でも多くの負担を強いられていることが改めて浮き彫りになった。
研究会の調査によると、08年以降の8年間、沖縄1県の犯罪摘発件数は全国の39・8~54・7%の割合で推移している。8年間の累計でみると全国1025件の摘発件数に対し、沖縄1県だけで47・4%に当たる486件を占めた。
米軍基地負担に関する研究会は「沖縄の基地問題をわがこととして真剣に考えてもらうようお願いしたい」(翁長雄志知事)という県の要望を受けて、16年7月に全国知事会内に設置された。
埼玉県の上田清司知事を座長に、全国知事会会長の山田啓二京都府知事、米軍基地所在の都道府県でつくる渉外知事会会長の黒岩祐治神奈川県知事ら11道府県知事がメンバーとなっている。
これまで3回研究会を開催しており、翁長知事から沖縄の基地負担の現状を聞き取ったほか、政策研究大学院大学の道下徳成教授を招き日米同盟について説明を受けるなどしている。これら活動の内容を、岩手県で開かれている全国知事会議で28日、座長の上田埼玉県知事が報告する。
沖縄県内では16年4月に米軍属による女性暴行殺人事件が発生した。事件を受けて、政府は16年6月から「沖縄・地域安全パトロール隊」を発足させたほか、各地域への防犯灯や防犯カメラの設置などの措置を決めている。県警は17年1月からパトロールに充てる警察官を100人採用した。