琉球新報社主催の第40回山之口貘賞と第29回琉球新報児童文学賞の贈呈式が28日、那覇市の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで開かれた。受賞者5人が創作の喜びを語り、多くの家族や友人らが祝福した。
山之口貘賞は、あさとえいこさん(69)(本名・安里英子)=南城市=の詩集「神々のエクスタシー」(あすら舎)と、佐藤モニカさん(42)=名護市=の詩集「サントス港」(新星出版)が選ばれた。児童文学賞の正賞は、短編児童小説部門、創作昔ばなし部門とも該当作がなかった。佳作には短編児童小説部門で諸見里杉子さん(46)=那覇市、自営業=の「夏休みクエスト」、たまきこう(本名・玉城和子)さん(45)=豊見城市、預かり保育指導員=の「青いランドセル」が選ばれた。創作昔ばなし部門では平岡禎之さん(57)=那覇市、会社員=の「波のうた、風のこえ」、佐藤モニカさん=歌人=の「ねことちゃわん」が選ばれた。平岡さんは長男の風馬さん(26)が代理出席した。
贈呈式では琉球新報社の富田詢一社長が5人に賞状と副賞を贈った。
選考報告で山之口貘賞選考委員の以倉紘平さん(詩人)は佐藤さんの詩について「聡明な言葉があふれ出るようにウタになっている」、与那覇幹夫さん(詩人)は、あさとさんの詩を「青鳩の声を死者たちのマブイ(魂)の声と捉えたところに、詩人の感性が表れている」と評した。