米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが5日、オーストラリア沖で墜落した。名護市安部の海岸に昨年12月、今回と同じ普天間所属のオスプレイが墜落した事故から7カ月余り。県民からは「また事故か」「いつどこに落ちるか分からない。本当に危険だ」「二度と飛ばすな」などと不安や怒りの声が上がった。
昨年12月の名護市の墜落事故後、米軍はわずか数日後に飛行再開した。普天間を飛び立ったオスプレイが宜野湾市や東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場、宜野座村城原区、那覇市、伊江村など県内各地で訓練を続けている。
名護市安部区に住む川田正一さん(66)は「安部に墜落してから1年たたずにまた事故だ。二度と飛ばすべきではない」と憤った。オスプレイは今年6月、伊江島に緊急着陸している。伊江村真謝区の平安山良尚区長(55)は「欠陥機だとあらためて証明した」と強調した。「どれほど私たちが危ない、(配備を)やめろと声を上げても聞かない。情けない政府だ」と話した。
東村高江区に住む伊佐育子さん(56)は「常に高江の上空を飛んでいて、いつ墜落するか分からない。もう一度、県民はオスプレイ撤回の要求をしないといけない」と強調した。オスプレイの離着陸訓練による騒音・粉じん被害に苦しむ宜野座村城原区の崎浜秀正区長は「安部の墜落や米軍キャンプ・ハンセン内のつり下げ物落下もあった。事故が今後も起こることは容易に想像できる」と話し、米軍機による訓練の危険性をあらためて指摘した。
普天間飛行場から約150メートル離れた場所に住む、第2次普天間爆音訴訟団の高橋年男事務局長(64)は「最近、緊急着陸や夜間訓練が増えている。夜だと(視界の関係で)事故の確率が高くなる。安全性に不安を抱く」と話した。島田善次原告団長(77)=宜野湾市=は「オスプレイが欠陥機であることをこれまでも訴えてきた。オスプレイの配備が全国に広まれば、沖縄だけの問題ではなく県外でも(墜落事故が)発生するだろう」と指摘した。
12日には、新基地建設断念を訴える県民大会が開かれる。辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議の共同代表を務める玉城愛さん(22)=うるま市=は「米軍基地があることから、沖縄の人たちはいつも事故の危険性と隣り合わせだ。国は『沖縄や日本の人の生命や財産を守る』と言うが、全く守られている気がしない」と憤りを見せた。