江崎鉄磨沖縄担当相が8日に述べた日米地位協定見直しに関する発言が、東京から沖縄に移動するまでの数時間で180度軌道修正された。その変化には1枚のメモが介在していた。
就任後初めて沖縄入りし那覇空港に降り立った江崎氏はメモを手に、「安倍政権も2度大きな見直しを行い、あるべき姿を追求する姿勢だ。その方針に沿った発言だ」と読み上げ、政府方針からの逸脱はないと強調してみせた。大臣の発言一変に対し、沖縄県や県内首長からは「事務方に制御されている」「ぜひ(当初発言通り見直しへ)頑張ってほしい」との声も上がった。
県議会での新里米吉議長らとの会談でも、地位協定の話題になると事務方が後ろからメモを差し出し、江崎氏はそれを読み上げて応答した。内容は小野寺五典防衛相が、江崎氏発言について問われて答えたのと全く同じ言葉。政権内で“統一見解”を用意したことがうかがえる。
県議会では江崎氏の地位協定見直し発言を赤嶺昇副議長が歓迎した。だが江崎氏はメモに目を落としながら統一見解を一字一句読み上げた。
赤嶺氏は新沖縄相について「メモばかり読んでいた。大臣の感触では、地位協定は見直すべきだという午前の(見直しの)発言が本音なのだろう。それが後ろ(事務方)からコントロールされているのが見えた。ポストを維持するためメモを渡される大臣ではなく、真に県民に寄り添う大臣になってほしい」と語った。