自動運転バス、乗り心地の評価は… 「安心」が7割 石垣市の実証実験


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 内閣府は6月から7月にかけて沖縄県石垣市(石垣島)で実施した自動運転バス実証実験について、利用者に乗り心地などを聞いたアンケートを15日までにまとめた。約7割が「安心」か「ほぼ安心」と回答した。普段利用するバスとの乗り心地の違いは「発進と停車」「乗り心地」について約3割が「少し急」「少し悪い」と回答した。石垣島での実験も踏まえ内閣府は、11月にも沖縄本島でも実証実験を行う。

 実証実験は6月25日から7月8日まで2週間、離島ターミナルと新石垣空港を結ぶ路線で実施した。車いすや高齢者にも乗り降りしやすいよう、バス停に隙間なく正確に横付けできるかなどを検証した。6月26日から参加した一般モニターは計368人だった。地域住民のほか、観光客やビジネス客も試乗した。

 自動運転バスの感想では、「安心」が22%、「ほぼ安心」が47%と合わせて69%となった。「心配」は1%、「少し心配」は12%だった。

 自動運転バスの将来性に関し「バス運行頻度の増」については「期待大」が27%、「ある程度期待」が49%で合わせて76%が期待した。「過疎地域の路線バスの維持・拡充」については「期待大」が39%、「ある程度期待」が49%で計88%が期待した。「交通渋滞緩和」については合わせて53%が期待した一方、「あまり期待できない」も22%あり、ほかの項目と比較して多かった。

 既存のバス利用で困っていることで、最も多かったのが「遅延が多く移動時間が読めない」だった。次いで「運行頻度が少ない」「行きたい場所にバス路線が通っていない」が続いた。調査した内閣府は結果から、定時性やバス網の改善を望んでいると分析している。

 アンケートの自由記述では「自動運転の進歩にびっくり」「早く実用化してほしい」「運転手の負担軽減に使える」との評価の一方、「人の飛び出しに対応できるのか」「トラブル時の対応がちょっと心配」と懸念も出た。「深夜でも運行してほしい」との意見もあった。