飼い猫繁殖制限の手術費用補助へ 国頭村、ノネコと判別


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 【国頭】国頭村は、村の条例で定めている飼い猫の避妊・去勢、マイクロチップ埋め込みにかかる手術費用を全額助成する新事業を9月から始める。飼い猫と野良猫、野生化した猫(ノネコ)を判別する狙い。国頭村では、ノネコがオキナワトゲネズミなどの希少種を捕食する被害が発生しており、世界自然遺産登録への課題となっている。

 企業版ふるさと納税を財源として活用する初めての取り組み。村は2005年、飼い猫の適正飼育を目的に「ネコの愛護及び管理に関する条例」を制定。飼い猫の避妊・去勢手術による繁殖制限、マイクロチップ埋め込みによる管理、放し飼いの禁止などを定めている。しかし、条例施行後も村内では野良猫状態に近い飼い猫が多く、高額な手術費用の負担もあり、条例が広く周知・徹底されていなかった。

 担当者は「条例で定めているが、飼い猫をほったらかしにしたり、野良猫に餌を与えたりと村民の意識が低い部分がある。これを機に飼い主のマナーを高めてほしい」と語った。

<用語>

 ノイヌ・ノネコ ノイヌ・ノネコは一般的に、人の生活圏に依存せず、野山などで野生生物を補食して自活している野生化した犬・猫。一方、野良犬・野良猫は特定の飼い主はいないが、人里近くに生息し、人間生活に依存している。