戦没者名簿 虫干し 那覇市若狭・なぐやけの碑


社会
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虫干しをした名簿をビニール袋で包装する遺族ら=15日、那覇市若狭のなぐやけの碑

 那覇市連合遺族会(瑞慶山良祐会長)が15日、那覇市若狭のなぐやけの碑の前で、戦没者名簿の虫干しをした。遺族らは戦没者名簿をめくって日光に当てながら亡くなった家族の名前を指でなぞり、平和への誓いを新たにしていた。

 戦没者名簿には、戦争で亡くなった那覇市出身者約2万9千人の名前が記されている。23冊の名簿はなぐやけの碑の中に奉納されており、劣化を防ぐために毎年8月15日に取り出して虫干しをしている。

 沖縄戦で家族5人を亡くした照屋苗子さん(81)は「風通しが良くなって(亡くなった家族も)喜んでいるはず。非戦のためにも子や孫に名簿のことを知ってもらいたい」と話した。瑞慶山会長(74)は「年に1度の虫干しは、亡くなった人と心の交流になっている。これからも続けたい」と話した。