「一番搾り」限定缶… 商品の魅力を形に 県出身デザイナー波平昌志さん


この記事を書いた人 大森 茂夫

 船の上から眺める海と水平線がデザインされたパッケージの「キリン一番搾り 夏冴えるホップ」。人気アートディレクター(AD)森本千絵さんの下で、この爽やかなパッケージのデザインを手掛けたのは北中城村出身のデザイナー波平昌志さん(32)=神奈川県在住。沖縄県立芸術大、県内の広告代理店を経て2015年から森本さんの事務所「goen。」(ゴエン)で働いている。森本さんが信頼を置くエースデザイナーだ。「多くの人の気持ちを動かせるような企画やデザインで、世の中にインパクトを与えられるようになりたい」と意気込む。

「一番搾り夏冴えるホップ」や絢香さんのCDジャケットなど、手掛けた作品を前に話す波平昌志さん=宜野湾市

 これまでにも「一番搾り 若葉香るホップ」、吉永小百合さん主演映画「母と暮せば」のサウンドトラックのジャケットや歌手の絢香さんのデビュー10周年を記念したベストアルバムのジャケット、関連グッズのデザインなども担当した。

 規模の大きい仕事ばかりだが、「周りの反応は違うけど、やっていることは今まで(県内で)やっていたことと変わらない」と気負いはない。

 クライアントの要望を聞いた森本さんがアイデアを出し、企画を立てる。それを企画書に落とし込み、実際に作り上げていくのが波平さんの仕事だ。

 広告や商品のデザインは「この商品をどう売るか」「お客さんとどうコミュニケーションを取るか」が問われる。商品の良さ、世界観を伝えるためにできることは全て提案し、そこからそぎ落としていく作業が続く。

 絢香さんのCDジャケットやグッズは「かわいい」「ほしい」とファンの間で評判になった。「デザインをお客さんが気に入ってくれたり、お客さんの向こう側の反応を感じられたりする時にやりがいを感じる」と力を込める。「自分で一から企画できるようになりたい」という目標のため、業界の第一線で日々奮闘している。(玉城江梨子)

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