基地反対、沖縄に共感 米労組総会 訪米団、現状を発信


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オール沖縄訪米団のメンバーが沖縄の米軍基地の現状や市民の抗議活動、米兵による性犯罪について報告したAPALAの分科会=19日、米カリフォルニア州アナハイム市

 【アナハイム=座波幸代本紙特派員】辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議の第2次訪米団(団長・伊波洋一参院議員)は19日、米カリフォルニア州アナハイム市で開催中のアジア太平洋系アメリカ人労働者連合(APALA)25周年大会総会で、沖縄の米軍基地問題について発信する分科会(ワークショップ)を開いた。

 基地の現状や名護市辺野古への新基地建設計画に反対する市民の抗議活動、米兵による性暴力について発信。APALAのメンバーら約50人が参加し、基地問題解決に向けた連帯を呼び掛けた。

 「理解と連帯を求めて―なぜ私たちは米軍基地の拡張に反対するのか」と題した分科会では、伊波団長、沖縄平和運動センター事務局長の大城悟氏、オール沖縄会議共同代表の高里鈴代氏が登壇した。

 伊波氏は戦後、米軍が沖縄で基地が拡大してきた歴史を振り返り、2004年の米軍ヘリ沖国大墜落事故、昨年12月の名護市安部でのオスプレイ墜落事故などを紹介した。大城氏は辺野古のゲート前で続けられている市民の抗議活動や県警による強制排除の状況を説明し、「われわれは屈しない。沖縄は決してあきらめない」と話した。

 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表を務める高里氏は、1995年の米海兵隊員による少女乱暴事件をきっかけに、沖縄で起きた米兵による女性への性犯罪を掘り起こす作業を始めた経緯を紹介。自宅で拉致され、暴行・殺害された女性や、わずか生後9カ月の乳児がレイプされたことなどを説明し、「米軍基地の移設ではなく、全ての米軍人の数を減らすべきだ」と訴えた。

 県系4世のダレン・シロマさんは「祖父母から沖縄の人々がいかに平和を愛し、基地問題の解決を望んでいるかを聞いて育った。職場の労働組合で問題を共有し、沖縄のために行動したい」と話した。韓国出身の参加者は「権力が人々のアイデンティティーをいかに抑圧するかをわれわれも知っており、沖縄の人々の気持ちがよく分かる」と涙ぐみながら話した。