【アメリカ】ヌチャーシーで親睦 県人会、新旧会員がユンタク会


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月例の「ヌチャーシー」で沖縄に関する話題・事柄などをウチナーグチで語る元北米県人会長の比嘉朝儀さん(奥)=4月26日、米カリフォルニア州ガーデナ市の北米沖縄県人会山内ビル

 北米沖縄県人会(エディー・カミヤ会長)は、1月から県人会館ヤマウチ・ビルで「ヌチャーシー」でユンタク会を開催している。県人会の山内優子事務局長の提案で、新旧会員の親睦を図るのが狙いだ。「ヌチャーシー」とは、品物や料理を各自が持ち寄り、あるいは金で支払うこと。

 昨年10月のウチナーンチュ大会で沖縄に行き、料理や芸能、文化など沖縄に興味を持った人々だけでなく、県人会から遠ざかっていた人たちが県人会会員らと意気投合し、興味を引いた経緯がある。大会後、100世帯余が新たに北米沖縄県人会員として入会し、現在、会員の世帯数は1080世帯に上る。そういった状況の中、新旧会員の親睦を図り、県人会の活動を理解してもらいつつ、ボランティアにも参加してほしいとの思いから、毎月最終木曜日を「ヌチャーシー」の日と決めて、ユンタク会を実施している。

 1月26日の初回のユンタク会に集まったのは26人。3月30日は山内事務局長が家系図について話した。

 4月26日には、県人会のことを知ってもらおうと、ウチナーグチの普及に尽力する元北米沖縄県人会長の比嘉朝儀さんを講師に迎え、ウチナーグチの持つ大切さや沖縄の歴史上どんな役割を果たしてきたかなどについて講義した。県人会副会長のビッキー・オオシロさんは「比嘉さんはとても豊富な知識の持ち主で、ロサンゼルス地域に沖縄に関する知識やトピックスを提供し、会員は共に歩み、良い機会を共有している」と感謝を込めて語った。

 比嘉さんは方言の「ヌチャーシー」について「戦前・戦後の食料難の時代に助け合いの精神から生まれた言葉と行事であった。現在、食べ物が豊富で贅沢な時代には、ヌチャーシーを行う必要がなく、時代の流れとともに、自然的に消滅し、その言葉もほとんど使われていない」と加えた。

 5月は三線の作り方をジョセフ・カミヤさん、6月は沖縄の盆踊りをハワイのグラント・村田さんが、7月はカナダのジェフ・タナカさんが講話。8月は県人会の図書館についてモニカ・ソリスさんが話す予定。
 (当銘貞夫通信員)