読谷、公文書館設立へ 屋良元知事の資料も収蔵 村立で初


この記事を書いた人 大森 茂夫

 【読谷】沖縄県読谷村は、村立としては全国初となる公文書館を設置する。2019年度から実施設計に入り、23年度の完成を目指す。米軍読谷補助飛行場跡地の整備の一環で、現在の村立図書館と村史編集室の移転に伴い、村役場の隣接地に建設する新施設に併設する。村の歴史だけでなく、県教職員組合(沖教組)から寄贈された資料約8万点を中心に、村出身で復帰後初の知事を務めた屋良朝苗氏の資料などを整理する。総事業費は12億円。市町村単位の設置は、県内では北谷町に続き2番目となる。

 読谷村は新たに公文書館の専門職員(アーキビスト)を配置し、これまでに蓄積のある村の戦後復興の資料整理にも力を入れ、データベース化もする。

 図書館の泉川良彦館長は「図書館に来て歴史を知り、もっと知りたい時に公文書館で調べられるようにする。『知のワンストップサービス』を実現し、情報の発信拠点としたい。また、公文書が公開されることが前提となり、より透明な行政運営にもつながる」と意義を話している。

 これまで村は戦前や移民関連の資料などを集めてきた。写真やビデオ、テープなどデータで整理できている分のみでも30万件以上のファイル数に及ぶ。今後は戦後史の資料整理にも取りかかる。

英文へ→Yomitan to establish Japan’s first village-level public archive