【本部】沖縄県本部町にあった謝花尋常高等小学校の1933(昭和8)年の入学生でつくる「サイタ模合友の会」が8月25日、42年続けてきた模合に幕を下ろした。毎月25日に欠かさず集まってきたメンバーは、ことしで91歳となり、健康面を考慮して解散を決めた。出会いから約80年。沖縄戦から米統治、日本復帰などの激動の時代を共に過ごし、苦楽を分かち合った仲間たちは「模合は終えるが、友情は一生続く。機会があれば集まる。100歳の同窓会を目指す」と前を見据える。
謝花尋常高等小の1933年入学生は約270人。このうち74人で1975年、同期生会「サイタの会」を結成した。初代会長は前原信雄さん。模合はサイタの会の一部有志34人で始めた。
サイタの会は85歳の生年合同祝いを開いた2010年に解散したが、模合は継続した。
毎月の集合場所は那覇市の国際通りにあるホテル山の内。サイタの会2代目会長も務めた渡口彦信さん=読谷村=は「故郷の本部を離れた後も、幼なじみと毎月会えるのがうれしかった。心の癒やしの場だよ」と振り返った。
模合の仲間で旅行したこともあった。また、沖縄戦では同期生のうち男性54人、女性1人が戦死した。亡き友の名が刻まれた糸満市の平和の礎を訪ね、慰霊祭を開いたこともあった。42年の年月を重ね、鬼籍に入った人もいる。模合参加者は現在、12人になった。
今も「ちゃん」付けで呼び合う仲間だ。「さっちゃん」が愛称の喜納幸子さん=那覇市=は「模合で昼食を終えると、2次会はカラオケを楽しんだ。これからも健康に努め、100歳になっても集まりたい」と新たな目標を語った。
渡久地政仁さん=那覇市=は「絆をこれからも大事にしていきたい」と話した。